四國五郎・ガタロ師弟展が始まりました
四國五郎・ガタロ師弟展が始まりました。皆様のご来場をお待ちしております。
ごあいさつ
おかげさまで、四國五郎・ガタロ師弟展を、2ヶ月の長きにわたり開催する運びとなりました。お世話になったたくさんの方たちにお礼申し上げます。
四國五郎さんは、広島では知らないひとがいないほど、名前の知れた存在です。広島を描き尽くした画家、それが四國五郎さんです。原爆資料館で売られる『あるいてみよう 広島のまち』は1日1000部売れるベストセラーですが、絵を担当したのは四國さんです。漫画『はだしのゲン』(中沢啓治作)とともに、子どもが原爆を知る手掛かりとして有名な絵本『おこりじぞう』の絵も四國さんが描きました。
四國さん自身は原爆を体験していません。3年にわたってシベリアに抑留された後、帰郷。そこで3歳下の弟・直登さんが原爆投下から22日目に亡くなったことを知ります。以来、直登さんの無念を伝えることが四國さんのこころの中心に置かれました。業績として忘れてはならないのは、詩人・峠三吉とともにつくった『原爆詩集』です。GHQによる検閲があった時代、四國さんたちは、詩集や辻詩などを通じて、命懸けで原爆を伝えようとしました。もうひとつ忘れてはならないのは、「市民が描く原爆の絵」のキャンペーンです。四國さんは精神的支柱としてこの運動を支えました。
ガタロさんは、四國五郎さんを敬愛し、弟子を任じておられます。
ガタロさんは1980年代半ばから、かつて「原爆スラム」と呼ばれた地に立つ「基町アパート」の清掃員として働きながら、日々の仕事の道具や出会ったひと、原爆ドームや広島の風景を描き続けています。「ガタロ」とはカッパのこと。束縛されない自由と気取らぬ態度は、ガタロさんの絵を描く姿勢と重なります。
ガタロさんの描く「モップ」や「ぞうきん」の神々しさ。かつてこんな風に清掃道具を描いたひとがいたでしょうか。今回の師弟展では、ガタロさんが四國さんに宛てた手紙や、ポスター・オブジェなども展示いたしします。
3年前わたしたちは、「ガタロ絵画展」を開き、大きな反響をいただきました。その時より、日本社会はよくなったでしょうか。いまガタロさんは政権の暴走にNOと言い、世の中に希望をみつけようと新たな作品にもとりくんでいます。今回はそんな最新の作品も含めて、画業をたどれる構成にしました。
四國五郎さんとガタロさん。おふたりは広島のさまざまな事象から片時も目をそらすことなく、絵を描き続けてこられました。その揺るぎなく、清澄な魂の軌跡をぜひご覧いただきたいと思います。
2017年9月23日
四國五郎・ガタロ師弟展実行委員会代表 永田浩三
「四國五郎・ガタロ 師弟展」
東京・横浜で連続開催
峠三吉とともに、あの『原爆詩集』をつくった四國五郎。広島・基町アパートで清掃員をしながら奇跡の絵を描くガタロ。ふたりはヒロシマを描く師弟でした。今回、2014年に大好評をいただいた「ガタロ展」の第2弾として、今回も2か所で『四國五郎・ガタロ師弟展』を開催します。
東京会場 ギャラリー古藤
期日 2017年9月23日(土)から10月22日(日)
10月2日(月)10日(火)16日(月)は休廊
午前11時30分から午後6時30分
会場 ギャラリー古藤(ふるとう) 東京都練馬区栄町9-16
電話 03-3948-5328 fwge7555@mb.infoweb.ne.jp
ギャラリートーク 定員40名
今回もガタロさん、四國五郎の長男・光さん、木内みどりさんアーサービナードさん
などの素敵なトークや朗読、パフォーマンスがあります。
9月23 日(土)17―18時 ガタロ×四國光×永田浩三(武蔵大学教授)
9月24 日(日)13―14時 ガタロ×四國光×永田浩三(武蔵大学教授)
9月27日 (水)19~20時 アーサービナード
「かたる絵と、ガタロの絵」
10月1日(日)15―16時 四國光×木内みどり(朗読)
10月15日(日)15―16時
二人芝居ガタリズム~道具目線で作るガタロ像 出演/綾香詳三×稲元洋平
時間は変更の可能性があります。
横浜会場 スペースナナ
期日 2017年10月26日(木)から11月26日(日)
期間中、月曜日・火曜日は休廊
午前11時00分から午後6時00分
会場 スペースナナ 横浜市青葉区あざみ野1-21-11
電話 045-482-6717 event@spacenana.com
ギャラリートーク 定員30名
10月28 日(土)17―18時 ガタロ×永田浩三(武蔵大学教授)
10月29 日(日)13―14時 ガタロ×永田浩三(武蔵大学教授)
※ギャラリートークのご予約は、各会場まで、お電話またはメールでお願いします。
展示内容
師の四國五郎の作品は、名作「母子像」「黒い雨」、「相生橋」、絵本「おこりじぞう」の原画、知られざる「辻詩」など。弟子のガタロは、大作「途上の牛」、「母」、「清掃の具」、世相批評の連作などを展示します。
入場料 300円(小・中・高校生無料)
(トークイベントのある時は絵のみの鑑賞はできません)
ギャラリートーク参加費(入場料含む) 1000円
主催 四國五郎・ガタロ 師弟展実行委員会
http://furuto.info/
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