万人受けはあやしい 時代を戯画いた絵師貝原浩
万人受けはあやしい
時代を戯画いた絵師、貝原浩
「平和」「繁栄」「謙虚」、そして「安全」「希望」「努力」「未来」「平等」……そんな言葉がどれも揺らいでいる。誰もが否定できないような「万人受け」する表現に、ずっと前から疑いのまなざしを向けていた絵師(イラストレーター)がいた。仕事机の引き出しに残っていた、1980年代90年代のマス媒体から機関紙までに描いた大量の諷刺画から今回は220点ほどを展示する。
2017・11・17(金)~26(日) 12:00~19:00
会場 ギャラリー古藤 東京都練馬区栄町9-16 03-3948-5328
主催/貝原浩の仕事の会
イベント(出演者) 要予約 ¥1500
17日(金) 19:00~ パギやん(趙博)のオープニングライブ
18日(土) 16:00~ 対談(菊地泰博・清田義昭):貝原浩が切り取った80~90年代の出版事情
19日(日) 16:00~ トーク(永田浩三):「差し障りがある」とは何か?
22日(水) 19:00~ トーク(太田昌国):〈万人〉から離れて立つ表現
24日(金) 19:00~ 貝原浩の誕生日!李政美ミニライブなど
25日(土) 16:00~ トーク(アライ=ヒロユキ):ソンタクの内と外の現代アート
*イベント開催日は、準備のため開始30分前に終了となりますので、ご注意ください。ただし、土日のイベント終了後、18:00~19:00は、ご入場できます。
貝原浩(1947~2005年) 画家、デザイナー、イラストレーター。一番に権威を嫌い、疑い、権威から離れたところにいる自分の感じたものを表現し続け、書籍・雑誌の制作、ポスター制作などで活躍。時代とともに生きる「絵師」を自認していた。何しろ描きまくった生涯だった。
●主な著書:『戸籍』『天皇制』『全学連』(以上はフォービギナーズシリーズ)、『世界手づくり酒宝典』『漫文・漫画 ショーは終っテンノー』『戦後50年100の肖像』『鉛筆画集FAR WEST』『画文集 風しもの村 チェルノブイリ・スケッチ』など
●主な掲載雑誌:『ダカーポ』『アサヒ芸能』『出版ニュース』『批評精神』『朝日ジャーナル』『インパクション』『ペンギンクエスチョン』『問題小説』『現代農業』『自然食通信』など
〈イベント〉 要予約
料金 1,500円
予約受付:kaiharaten@gmail.com 090-2904-2518(貝原浩の仕事の会)
また、fwge7555@mb.infoweb.ne.jp(ギャラリー古藤)まで。
17日(金) 19:00~ パギやんのオープニングライブ
「歌う浪花の巨人・パギやん」こと趙博(Cho Bak)さん。自称「在日関西人」。鋭い社会風刺の歌に芝居に大活躍。今宵は「ABE IS OVER」か「ワテらは陽気な非国民」か、それとも「当世新説阿呆陀羅経」か!
18日(土) 16:00~ 対談:貝原浩が切り取った80~90年代の出版事情
菊地泰博さん(現代書館代表)。「見る思想書」と言われる「フォービギナーズシリーズ」の日本版オリジナルの最初が1981年の『戸籍』(絵・貝原浩、文・佐藤文明)。
清田義昭さん(出版ニュース社代表)。1993年から12年間、出版専門誌『出版ニュース』に月1回、「貝原浩のベストセラー戯評」を連載。
19日(日) 16:00~ 「差し障りがある」とは何か?
話し手:永田浩三さん(武蔵大学社会学部メディア社会学科教授)。NHKのディレクター・プロデューサーとして教養・ドキュメンタリー番組、「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」などを制作。2001年「ETV2001」番組改変事件では編集長として関わる。以来、改変の真相に迫るとともに、「言論・表現の自由」についての発言も多い。主な著書:『ベン・シャーンを追いかけて』『NHKと政治権力』『奄美の奇跡』『ヒロシマを伝える』など。
22日(水) 19:00~ 〈万人〉から離れて立つ表現
話し手:太田昌国さん。人文書の企画・編集に携わる傍ら、世界と日本の民族・植民地問題や南北問題に関わる発言をしている。自らを高みに置くことなく、自分の言葉で、冷静に世界を俯瞰する。主な著書:『「拉致」異論』『〈極私的〉60年代追憶』『アンデスで先住民の映画を撮る』『〈脱・国家〉状況論』など。
24日(金) 19:00~ 貝原浩の誕生日!
生誕70年のバースデイ。「歌の力はすごい」と貝原浩に言わしめた葛飾生まれの在日コリアン、李政美(い・ぢょんみ)さんのミニライブなど。
25日(土) 16:00~ ソンタクの内と外の現代アート
話手:アライ=ヒロユキさん。美術、社会思想、サブカルチャーなどをフィールドに、雑誌、新聞、ポータルサイト、展覧会図録などに執筆。時代の中で表現をとらえる美術・文化社会批評で活躍。主な著書:『天皇アート論』『ニューイングランド紀行 アメリカ東部・共生の道』など。
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